Vol.004
日本CHO協会 事務局長
須東朋広
企業と個人の関係が、旧来の“管理する側とされる側”という上意下達スタイルの人材マネジメントでは立ち行かなくなった。
最近、人事部門のトピックとして“キャリア”も依然として人気があるが、“モチベーション”“リーダーシップ”も最近非常に脚光を浴びている。そこからどのような人材マネジメントが求められていくのだろうか。
高度成長期は上意下達スタイルの人材マネジメントが有効であった。この時代は、市場の普遍的な最大ニーズを探り、商品を大量生産していればよかった。そのためには、企業はいかに計画どおりに仕事を進め、スケールメリットを活かすことのできる統制のとれた組織を構築することがなによりも重要であった。よって、異質な人間を排除し従順で管理しやすい人材を、組織を機能的に効率向上の管理をすることができる人材による上意下達スタイルがよかったのである。
しかし、この10年間においては、「国際化」と「IT(情報技術)革命」によって社会は変化した。そのことによって、企業は市場ニーズの多様化・複雑化に対応するサービスをスピーディーに提供していかなければならなくなった。組織としては、市場にスピード感を持って対応することができる、柔軟性と機動力を持った組織や高い付加価値を生める形の構築を行わなければならない。そのためには、異質性の高い人材や高い専門性を持った人材、会社の目指す方向に理解・共感し、そこから自分の考え・方向を打ち出して行動する人材を求めざるを得ないのである。
上記のような人材は「将来どうなりたいか」という“キャリア”目標をまず起点にし、その実現に向けた能力管理を行いたいと思っている。企業は、その能力管理の結果指標として業績管理と人材開発の仕組みが連動できる“場”(=環境)の提供を行う。このキャリアマネジメント手法は自律型社員に非常に有効なマネジメントツールではあった。
しかし最近、キャリアマネジメント不全によるメンタルヘルス問題が生まれた。そこで、モチベーションをキャリア(特にキャリアの節目)と連動して考えていくという方向に変わってきた。特にモチベーションにはアップダウンがあるから、それが自己調整できるかどうか、やる気の持論を持つことはセルフマネジメントに有効である。そういった持論のレパートリーを豊かに持っている人は、部下へのモチベートにも有効である。
誰かに教わるものではなく自分自身が選択をし、生きていく中で初めて「見えないもの」を見て身につけ、何かを実現したいと心からの熱い思い、夢や志を真剣に語る人に、周囲の人は喜んで手助けしてくれたり、フォロワーが現れたりして、結果としてリーダーになるのである。リーダー自らの行動の結果としてリーダーシップは育まれる。
モチベーションとキャリア、リーダーシップは、これからの時代に求められる人材、人材マネジメントに非常に有効である。
〜Business Leader Vol.32〜